精選版 日本国語大辞典 「筒抜」の意味・読み・例文・類語
つつ‐ぬけ【筒抜】
- 〘 名詞 〙 ( 形動 )
- ① 筒の底が抜けていること。また、そのようにさえぎりとめるもののないさま。
- [初出の実例]「筒抜けの鑵詰の殻を嵌めて」(出典:千鳥(1906)〈鈴木三重吉〉)
- ② 底の抜けた筒に物を入れたときのように、中にとまらないで素通りすること。
- ③ 話し声・音などが、そのまま他の人に聞こえること。
- [初出の実例]「なふ声高い、御前へつつぬけ」(出典:浄瑠璃・本朝三国志(1719)三)
- ④ 談話・相談・計画などの内容がそっくり他に伝わること。話したことがすぐに他に漏れること。
- [初出の実例]「惚られ自慢でもう其事を触れ歩く、それであいつが名をつつぬけと付て置」(出典:浄瑠璃・生玉心中(1715か)上)
- ⑤ 雨がはげしく漏ること。筒漏り。
つつ‐ぬかし【筒抜】
- 〘 名詞 〙
- ① 素通りに通り抜けさせること。
- [初出の実例]「つつ井筒つつぬかしなり水の月〈貞利〉」(出典:俳諧・崑山集(1651)一〇)
- ② 筒の中を通り抜けるように、聞いたことをすぐ他人に伝えること。また、その人。
- [初出の実例]「見るとかたれ詞の花の筒ぬかし〈正良〉」(出典:俳諧・毛吹草追加(1647)上)
つつ‐ぬき【筒抜】
- 〘 名詞 〙 筒を引き抜くように、首を抜き取ること。
- [初出の実例]「さればふるこうりがつつぬきさげぎり、かずをしらず」(出典:虎明本狂言・朝比奈(室町末‐近世初))