粘度降下剤(読み)ねんどこうかざい

改訂新版 世界大百科事典 「粘度降下剤」の意味・わかりやすい解説

粘度降下剤 (ねんどこうかざい)

液体の流動性を改善し,また塗布等の適性を得るために,液体,溶液粘度を降下させる目的で加える工業用助剤。インキ塗料,接着剤などの高分子溶質を含む溶液の場合は,一般には溶質に対して,やや溶媒を加えることにより,溶質の溶液中での分子の広がりを調節したり,溶媒との親和性を減じることにより,混合溶媒系として粘度調節を行う。一方,塗工性など流動特性の改善を伴う場合には,非イオン界面活性剤などの界面活性剤やシリコーン系表面処理剤を用いて,界面張力を調節して目的を達する。電力ケーブル冷却など大量の水を管内輸送する場合には,その粘性での圧力損失をさけるために,粘度降下剤として高級アルコール,非イオン界面活性剤を微量添加する。これは水と管壁の境膜での抵抗を降下させることになり,その目的を達している。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 内田

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android