粟田口国綱(読み)アワタグチクニツナ

関連語 鳥羽院

精選版 日本国語大辞典 「粟田口国綱」の意味・読み・例文・類語

あわたぐち‐くにつな【粟田口国綱】

  1. 鎌倉前期の刀工。国頼の孫。通称藤六。左近将監。後鳥羽上皇に従って隠岐に行き、御番鍛冶となる。のち北条時頼のために名刀「鬼丸」を制作。長寛元~建長七年(一一六三‐一二五五

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

朝日日本歴史人物事典 「粟田口国綱」の解説

粟田口国綱

生年生没年不詳
鎌倉前期の刀工。京都粟田口に住した。名は藤六左近。国友長兄とする6人兄弟の末弟で,北条時頼に招かれ鎌倉で作刀したと伝える。時頼の佩刀であった鬼丸と号のある太刀(御物)が著名である。作風は,普通粟田口派が小板目のつんだ精美な鍛えと,直刃主体としたおだやかな刃文を特徴とするのに対し,国綱は鍛えが板目で強く,刃文も直刃ではあるが焼幅が広く小乱れを交えた沸の強いものとなる。『能阿弥本銘尽』には「四十二歳より鎌倉に住し新藤五国光をもうける」としているが,今なお研究の余地を残す。

(原田一敏)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android