粟田口派(読み)あわたぐちは

精選版 日本国語大辞典 「粟田口派」の意味・読み・例文・類語

あわたぐち‐はあはたぐち‥【粟田口派】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 平安末期から鎌倉中期にかけて、京都粟田口に住んだ刀工一門の総称粟田口国頼を祖とする。特に国友ら六名の御番鍛冶と一名(久国)の奉受工は有名
  3. 仏画一派粟田口隆光を祖とする。室町時代から江戸時代まで断続的に続く。粟田口家。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「粟田口派」の意味・わかりやすい解説

粟田口派
あわたぐちは

鎌倉時代初期から中期にかけて,京都粟田口付近で作刀した刀工の流派系図では国頼,国家を初代,2代とするが,在銘で現存するのは国友,久国,国綱らの作品からである。このほか4代則国,5代国光,6代吉光 (→粟田口吉光 ) らも名工。細かい地沸 (じにえ) のよくついたきれいな地鉄 (じがね) がこの派の特色とされる。 (→山城物 )

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世界大百科事典(旧版)内の粟田口派の言及

【山城物】より

…山城鍛冶の繁栄は平安中期から江戸初期までの長期にわたるが,永延(987‐989)のころ三条に住した三条宗近が最も古く,ついで一門の三条吉家,五条兼永,五条国永ら古京物と称される一派がおこった。鎌倉初期には《宇治拾遺物語》にも〈粟田口の鍛冶〉とあるように,粟田口派があらわれて名工が輩出し,とくに国友,久国,国安の兄弟は後鳥羽上皇の番鍛冶に選ばれている。さらに建長(1249‐56)ころの国綱は北条時頼の招きにより鎌倉で作刀し,相州鍛冶(相州物)の基を築いたと伝え,末期の吉光は短刀の名手として名高い。…

※「粟田口派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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