精子競争(読み)せいしきょうそう(英語表記)sperm competition

知恵蔵 「精子競争」の解説

精子競争

自分の精子で卵を受精させようとする雄個体間の競争。交尾したのち雌の生殖口を交尾栓でふさいだり、トンボ類のように交尾後もつながったままで飛行して、他の雄の精子の進入を防いだり、カワトンボ類のように先に交尾した雄の精子を掻き出したりといった行動を指す。このほか霊長類の優位雄がより大きな精巣を発達させることも、精子の量が多いほど受精の確率が高まるので、精子競争の一種と考えられる。

(垂水雄二 科学ジャーナリスト / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android