糟屋西郷(読み)かすやさいごう

日本歴史地名大系 「糟屋西郷」の解説

糟屋西郷
かすやさいごう

旧糟屋郡西部一帯に比定される中世の郷。室町期(享徳頃か)と推定される糟屋西郷年貢算用状断簡(石清水文書/大日本古文書四―二)によれば、打橋うちはし村・阿恵日守あえひのもり下中原しもなかばる(現粕屋町)多々良たたら(現福岡市東区)などが当郷に含まれていた。寛弘二年(一〇〇五)一一月一五日の筑前国符案(国立公文書館内閣文庫/平安遺文二)に「糟屋西郷司」とある。「吾妻鏡」文治三年(一一八七)八月三日条によれば、当郷は筥崎宮宮司親重に安堵されている。正平一七年(一三六二)八月二八日には神領興行政策の一環として郷内中原なかばる(現粕屋町)田地三段が筥崎宮大宮司重政に返付された(「惣官沙弥某下知状」田村文書/南北朝遺文(九州編)四)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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