紀寺町(読み)きでらちよう

日本歴史地名大系 「紀寺町」の解説

紀寺町
きでらちよう

[現在地名]奈良市西紀寺町

艸小路くさこうじ町の東南方に所在。「奈良曝」に「草小路とひとつに合、町役三十五軒」とみえる木寺きでら村のうちに発展した町で、奈良七口の一つ紀寺口にあたる。「大乗院雑事記」長禄元年(一四五七)一〇月二八日条に「木寺郷ニ石在之、彼郷一乗院ノ領ナリ、慈恩院就奉行為在所間、内々慈恩院ヘ使ヲ遣テ所望之処、不可有子細云々、当門跡領辰巳小路ノ南ノ道ヨリハ、南ノ畠中ニアル石也、木寺郷ノ内也云々」とみえ、興福寺一乗院領となっているが、同書文明六年(一四七四)一〇月一九日条の一乗院領にも「紀寺郷一円被仰付慈恩院云々」とあり、一乗院方の慈恩じおん院の管理下にあった。また同一七年一二月一二日条には、夜前に紀寺郷北方で東西一町ばかり焼失したとある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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