紋切形(読み)もんきりがた

精選版 日本国語大辞典 「紋切形」の意味・読み・例文・類語

もんきり‐がた【紋切形】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 紋の形を切り抜くための一定の型。
  3. 物事のやり方が一定の型にはまっていること。きまりきった型。おきまり。ステレオタイプ
    1. [初出の実例]「外の江戸狂言はむかしから紋切形(モンキリガタ)といふものがあって」(出典:滑稽本・客者評判記(1811)中)
    2. 「文切り形の厭味を帯びてないのは聊かの取り得でもあらう」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉二)
  4. 事の次第。
    1. [初出の実例]「昨夜の一条(いちらつ)をうけて呉んねエ。かういふ仕組(モンキリガタ)よ」(出典:人情本・梅之春(1838‐39)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の紋切形の言及

【切紙細工】より

…紙の折り方には一つ折りから五つ折りまでが行われている。また種々の紋形を切りぬいた厚紙を型紙として,その上から色をすりこんで簡単に紋章を描く方法も行われ,〈紋切形〉とよぶこの型紙は江戸末期には市販されるにいたり,明治中期までは縁日の露店でもこれを売っていた。きまりきった様式を俗に紋切形とよぶのはこれに由来している。…

※「紋切形」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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