細胞・組織・器官の老化

内科学 第10版の解説

細胞・組織・器官の老化(加齢と老化)

 細胞の分裂寿命の発見によって,組織・器官・個体の老化は細胞の有限分裂能に起因する細胞死の反映であると考えられるようになった.特に細胞分裂寿命の回数券といわれるテロメアの維持にかかわるテロメラーゼを用いた研究はテロメアの短縮が細胞分裂寿命の決定的機構であることを強く支持している.一方で近年,細胞分裂寿命とヒト個体老化との関係や細胞の加齢に伴う機能変化(おもに遺伝子の過剰発現による有害蛋白の増加)や細胞間質の変性,減少に関する知見が集積されつつあり,それらをもとにしてヒト個体老化の新たな老化仮説が考えられるようになってきた.それは細胞の機能変化や細胞間質の変性,減少がヒト個体の老化において重要な役割を果たしているという考え方である(名倉ら,2001).表1-5-2に,老化に伴う諸器官の変化を示す.[三木哲郎]
■文献
Arking R:老化の理論と,老化のバイオロジー(鍋島陽一,北 徹,他監訳),pp337-465,メディカル・サイエンス・インターナショナル,東京,2000.
Hayflick L: The cellular basis for biologocal aging. In: Handbook of the Aging(Finch CE, Hayflick L eds), p162, Van Nostrand Reinhold, New York, 1977.
Kane RL, Ouslander JG, et al: Essentials of Clinical Genetics, 5th ed, pp6-7, McGraw-Hill, New York, 2004.
名倉 潤,三木哲郎:老化研究の最前線.治療,83: 2718-2722, 2001.
Strehler BL, Mildvan AS: General theory of mortality and aging. Science, 132: 14-21, 1960.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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