名倉(読み)なぐら

精選版 日本国語大辞典 「名倉」の意味・読み・例文・類語

なぐら【名倉】

  1. [ 1 ]
    1. [ 一 ] 愛知県東部、設楽(したら)町の地名三河馬また、名倉砥(なぐらど)と呼ばれる砥石産地
    2. [ 二 ] 福島県郡山市南東部の古地名。室町時代、足利氏の笹(篠)川御所が置かれた。現在の安積(あさか)・小原田あたり。
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙
    1. なぐらど(名倉砥)」の略。
    2. 接骨医のこと。江戸時代、名倉家という有名な接骨医があり、そこから暖簾(のれん)分けした者が名倉流を称したが、のちに江戸近辺で接骨医一般の称となったもの。
      1. [初出の実例]「皆が歩行くに、駕を取巻れて行くのも、名倉へでも行くやうで、どっともしないものだテ」(出典:滑稽本・和合人(1823‐44)三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の名倉の言及

【接骨師】より

…その後これらの整復は外科や戦国時代の金瘡(きんそう)医へと受け継がれた。江戸時代中期(18世紀)になって,柔術家でもあった名倉素朴が江戸に施療院を開設し,代々整復術を業とした。このため,名倉素朴は整復師の開祖とされ,整復術は〈名倉(なぐら)〉と俗称された。…

※「名倉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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