テロメア(英語表記)telomere

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テロメア」の意味・わかりやすい解説

テロメア
telomere

染色体末端粒子。真核生物の染色体の末端部分にみられる塩基配列の反復構造をいう。 TTAGGGの配列哺乳類で数百回,ヒト生殖細胞では約1万 5000~2万塩基対も繰返されている。テロメア細胞分裂のたびに少しずつ短くなることから,染色体の複製に伴う損傷を防ぎ安定性を維持する働きをになう「あそび」の部分と考えられる。ヒトの細胞のテロメア配列は若年者のほうが高齢者の 1.5倍ほど長く,老化との関連も指摘されている。テロメアの減少を補い新しい配列を追加しているのはテロメラーゼという酵素で,培養実験で老化を遅らせる働きが確認された。

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