知恵蔵 「組み込みシステム」の解説 組み込みシステム 家電製品、携帯電話、デジタルカメラ、医療機器、自動車、ロボット、人工衛星など、特定の目的をもったシステムの内部で、それらを制御するために組み込まれている専用のコンピューターシステムである。技術的には従来のコンピューター技術の延長上にあるが、特定のシステムの目的に専用化されていて、汎用性をまったくそなえていない。その特徴は、リアルタイム性、高信頼性、少ない消費エネルギー、高いコスト性能比、使い勝手の良さなどで、それらを極限まで追求している。組み込まれたマイクロプロセッサなどのハードウェアを制御するソフトウェア(組み込みソフトウェアという)を各システムの要求を満たすように作製することにより、専用性を実現している。このため、販売後のシステムの性能を改善するときや、不具合を発見したときも、ハードウェアを作り替える必要は少なく、ソフトウェアの書き換えによって柔軟に対処できる。組み込みシステムを内蔵している機器は、今やユビキタス(社会の隅々までコンピューターとその処理力が浸透している状態)な社会のインフラ・ストラクチャーを支える産業製品として、急速に普及し発展している。これを可能とした技術的背景は、特定用途向けに集積回路を設計できる技術(ASIC)、リアルタイムOSなどのソフトウェア技術と、それらの開発環境の発展であった。 (星野力 筑波大学名誉教授 / 2008年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by
IT用語がわかる辞典 「組み込みシステム」の解説 くみこみシステム【組み込みシステム】 家電製品や産業機械などに組み込まれ、特定の機能を実現するコンピューターシステム。炊飯器・洗濯機・エアコン・テレビなどの家電製品、携帯電話、自動車、産業用ロボット、自動販売機などに搭載される。◇「エンベッドシステム」などともいう。組み込みシステムの制御のためのソフトウェアを「組み込みオペレーティングシステム」という。 出典 講談社IT用語がわかる辞典について 情報 Sponserd by