最新 地学事典 「組成境界層」の解説
そせいきょうかいそう
組成境界層
compositional boundary layer
マグマ中で結晶化が進行する際,液と結晶の界面において,結晶の中に組み込まれない元素が排斥されるため,結晶の化学成分に乏しい液の層が結晶の周囲に形成される。この層を組成境界層と呼ぶ。液の粘性が非常に小さく,冷却速度が大きい場合,組成境界層の厚さは結晶サイズよりも小さくなる。この場合,液よりも重い鉱物が結晶化すると,組成境界層の液は結晶から離れた場所にある液よりも軽いため,境界層内で上方への流れが生じ,結晶の最も高い位置からプルームが上昇する。多くの場合,組成境界層の厚さは結晶サイズよりも大きくなる。マグマ溜まりの底部で結晶化が進行し,組成境界層が厚い場合,元素拡散による境界層の成長と,プルームの上昇による境界層の崩壊が周期的に生じる。結晶の周囲には,結晶化による潜熱放出により,組成境界層よりも厚い潜熱境界層も形成される。潜熱境界層も組成境界層と同様にプルーム上昇を生じさせ,マグマ溜まりの対流に寄与する。参考文献:D.Martin et al. (1987) Contr. Min.Petrol., Vol. 96: 465
執筆者:西村 光史

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

