最新 地学事典 「結晶場分裂」の解説
けっしょうばぶんれつ
結晶場分裂
crystal-field splitting
結晶場理論では,結晶場に働く力の効果は,静電場の対称とその強さで考える。例えば,遊離した状態の第一系列の遷移元素では,5つのd軌道に対して,電子は等しい確率で存在する(縮重した状態)が,結合しようとする陰イオンとの位置関係によって,5つのd軌道は2つのグループに分かれて存在する必要がある。このとき,縮重が解けてエネルギー準位が分かれることを結晶場分裂と呼ぶ。正八面体配置では,5つのdxy, dyz, dzx, dx2−y2, dz2の軌道は,結晶場分裂によってt2gモードのdxy,dyz,dzxの軌道とegモードのdx2−y2, dz2に分裂することで,系の安定性を高めている。
執筆者:栗林 貴弘
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

