統万城(読み)とうまんじょう(その他表記)Tǒng wàn chéng

改訂新版 世界大百科事典 「統万城」の意味・わかりやすい解説

統万城 (とうまんじょう)
Tǒng wàn chéng

中国,夏の赫連勃勃(かくれんぼつぼつ)が413年(鳳翔1)ころ築いた都城。叱干阿利を将作大匠に任じ,胡・漢の民衆10万人を動員して営んだもので,〈天下を統一し,万邦に君臨する〉という趣旨から〈統万城〉と名づけた。土を蒸して築き,錐で突いて1寸以上入ると,作った者を殺して築き固めたという。その遺構は今日流沙に埋れて残っており(陝西省靖辺県,無定河北岸),その内城は東西608.9m,南北527.1mあり,土壁の白さから俗に白城子とよばれている。北魏は夏を滅ぼしたあとここに統万鎮を置き,唐は夏州を置いた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の統万城の言及

【夏】より

…国号の由来は匈奴が禹の後裔であるという伝説にもとづく。赫連勃勃は無定河上流に統万城を営んだが,土を蒸して堅牢に築きあげたもので,遺跡の一部は今日残存している。赫連勃勃は東晋から長安を奪って一時関中を支配した。…

※「統万城」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android