道雄(読み)どうゆう

朝日日本歴史人物事典 「道雄」の解説

道雄

没年:仁寿1.6.8(851.7.10)
生年:生年不詳
平安前期の真言宗の僧。空海十大弟子のひとり。空海と同じ讃岐多度郡(香川県善通寺市)の佐伯氏出身。法相宗を修めたのち,東大寺華厳を学び日本華厳の第7祖となる。次いで空海に師事して密教灌頂を受け,山城乙訓郡(京都府乙訓郡大山崎町)に海印寺を建立して華厳と真言の宣揚を図った。嘉祥3(850)年,道雄,実慧の業績を讃えて出身氏族の佐伯氏に宿禰の姓が与えられた。最終僧位は権少僧都。道雄の動向は真言密教と華厳,空海と東大寺の密接な関係,および空海の属した佐伯一族の結束を最もよく象徴する。弟子に基海,道義など。<参考文献>守山聖真編『文化史上より見たる弘法大師伝』

(正木晃)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「道雄」の解説

道雄 どうおう

?-851 平安時代前期の僧。
真言宗。慈勝に唯識(ゆいしき)を,東大寺の長歳(ちょうさい)に華厳(けごん)をまなぶ。のち空海より灌頂(かんじょう)をうけ,十大弟子のひとりとなる。山城(京都府)に華厳・真言兼学の海印寺を創建し開山(かいさん)となった。嘉祥(かしょう)3年権少僧都(ごんのしょうそうず)。仁寿(にんじゅ)元年6月8日死去。讃岐(さぬき)(香川県)出身。俗姓は佐伯。法名は「どうゆう」ともよむ。

道雄 どうゆう

どうおう

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android