絵画史料(読み)かいがしりょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「絵画史料」の意味・わかりやすい解説

絵画史料
かいがしりょう

歴史史料として正しく位置づけたときの絵図や絵巻物をいう。 1980年代初めから絵画史料の読解に努め,『姿としぐさの中世史』 (1986年) を著わした黒田日出男によれば,壁画,頂相,山水画,絵地図,写真などの画像史料 (アナログ史料) と,絵巻物,まんが,劇画,広告などの画像・文字史料 (アナログ・デジタル史料) が含まれる。従来,美術史の分野で,主としてどのように描かれているかが問題にされた絵画を,歴史の研究の素材として,単なる画証史料としてではなく,そこに何が描かれ,それが意味するものは何かを問うことによって,今までの歴史学が見落としてきたビジュアルな事実を発掘し,文献史料と同じように分析・読解していこうとするもの。五味文彦の『中世のことばと絵』 (90年) はその成果の一つ。絵画史料を読解する方法はまだ確立されていない。

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