網代文(読み)あじろもん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「網代文」の意味・わかりやすい解説

網代文
あじろもん

タケや木を薄く削った「へぎ」を縦、横または斜めに編んで敷物、垣(かき)、笠(かさ)、車などをつくったときできる文様。縄文時代後期の土器の底にすでにその痕跡(こんせき)がみられる。これは装飾意志をもって表されたものではないが、こういった文様は、編物とか織物工程から、自然にみいだされたものであることは予想される。これはまた、昔計算に使った算木(さんぎ)の配列に似ているところから、「算崩し縞(さんくずしじま)」とか、縞の数から「二崩し」「三崩し」ともいわれる。

村元雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android