網膜動脈が詰まり、血液が網膜に行き渡らなくなる病気です。血液の供給が途絶えた網膜の細胞は、酸素不足に
詰まる部位によって
年齢が高いほど起こりやすくなるので、加齢による血管や血液の変化が基礎にあると考えられます。糖尿病、高血圧症、動脈硬化症、
若い人にも起こることがあり、その場合の原因には
血の通わなくなった網膜はすぐに機能を失うので、症状は突然現れます。中心動脈閉塞症では視野全体が暗くなり、視力も大きく低下します。分枝動脈閉塞症では、閉塞した部分に対応する視野が暗くなります。視力は、閉塞した部分に網膜の中心が含まれるかどうかにかかっています。中心が含まれれば視力は低下し、含まれなければ低下しません。
一瞬、片方の眼が暗くなってしばらくして治るというような前駆症状が何回か起こり、その後本格的に発症することもあります。
眼底検査でほとんど診断できます。中心動脈閉塞症では網膜全体が白くにごり、中心だけが赤い斑点(
血管を拡張する薬物や血栓を溶かす薬物、副腎皮質ステロイド薬の内服、点滴を行うのが一般的です。角膜を切開して
視機能がもどるかどうかは、血管が詰まっていた時間の長さによります。早い段階で血流が再開すればかなり見え方はもどりますが、長時間詰まっているともどりにくくなります。
緊急に治療を必要とする病気です。すぐに眼科を受診し、診断と治療を受ける必要があります。
河野 眞一郎
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
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