日本大百科全書(ニッポニカ)「血流」の解説
血流
けつりゅう
血管内における血液の流れをいう。動脈では、心臓の収縮期に、血液に対して高い圧力が加わり血流がおこるが、拡張期には大動脈弁が閉じているので、圧力は低下する。しかし、拡張期中においても血流が末梢(まっしょう)へ向かって進むのは、動脈壁の弾力によって押されるからである。したがって、動脈では血圧や血流は拍動しているが、毛細血管になると拍動はほとんどなくなり、連続した流れとなる。静脈も同様に連続した流れである。血流の速さは、大動脈で毎秒約50センチメートル、毛細血管で毎秒約0.5ミリメートル、大静脈で毎秒約25センチメートル程度である。毛細血管の血流が遅いのは、分枝が多く、総断面積が著しく大きいからである。心拍出量は安静時に毎分約5リットルで、全身を循環するのに要する時間は50~60秒である。
[真島英信]
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