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視覚 しかく vision

翻訳|vision

7件 の用語解説(視覚の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

視覚
しかく
vision

可視光線 (波長 380~760nm) の受容によって現れる光の明暗や色に関する感覚をいう。広義には,事物の色彩,形や,それらの奥行,運動などを弁別,識別することを含む。したがって,視覚は光感覚,色感覚のほか,奥行知覚 (立体視) ,運動知覚 (運動視) などを包括する。

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デジタル大辞泉の解説

し‐かく【視覚】

光の刺激を受けて生じる感覚。網膜に光が当たると視細胞に興奮が起こり、視神経を通して大脳視覚野に伝えられ、明暗・光の方向や物の色・動き・距離などを認知する。五感の一。

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百科事典マイペディアの解説

視覚【しかく】

光刺激によって生じる感覚。視覚器官はふつうである。明暗のみを感じるものを光覚,色を感じるものを色覚として区別する。また機能的には対象物の形を識別する形態視と対象物の位置や動きを識別する空間視とに分けられる。
→関連項目盲人

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栄養・生化学辞典の解説

視覚

 物をみる感覚.

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世界大百科事典 第2版の解説

しかく【視覚 visual sensation】

光刺激によって生じる感覚で,明暗を感じる感覚を光覚,色を感じる感覚を色覚という。おもな感覚器はである。原始的な光覚は神経光覚器や皮膚光覚器によって起こる。よく発達した視覚は聴覚や嗅覚と同様に,動物が遠くはなれた所からの情報を得るのに重要な感覚である。ことに外部の情況を立体的に知るうえでは視覚が最も優れている。視覚機能は明暗識別や光源の方向識別,あるいは対象物の形態や動き,対象物までの距離などの識別や色彩弁別に分けられる。

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大辞林 第三版の解説

しかく【視覚】

外界からの光を刺激として生じる感覚。ヒトでは光が目の網膜を刺激し、そこに生じた神経興奮が大脳の視覚野に伝えられたときに生じる。明暗覚・色覚・形態覚・運動覚を含む。視感。 〔「和蘭字彙」(1855~58年)にオランダ語 gezigt の訳語として載る〕

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

視覚
しかく

可視光線の刺激によっておこる感覚をいい、これによって外界の事物や現象が認知される。視覚は聴覚、味覚、嗅覚(きゅうかく)などとともに特殊感覚の一つとされる。[市岡正道]

目の通光学

視覚の受容器細胞は眼球の内面を覆っている網膜にあり、網膜中の視細胞(錐状体(すいじょうたい)と桿状体(かんじょうたい))によって光の刺激を感受する。このため、他の眼球を構成する組織は、物体の像を正しく網膜に結ばせるための通光学的装置といえる。光線を屈折させる装置を外側からあげると、涙液、角膜、前眼房水、水晶体、および硝子体(しょうしたい)の五つがある。このうち水晶体の屈折率がもっとも大きく、光の屈折はおもに水晶体を通して行われている。正常眼では、眼前約6メートル以上の距離にある物体は屈折させることなく網膜上に正しく結像するが、これより手前にある物体は網膜の後方に像を結ぶため、屈折力を増加させなくては正しく結像しない。このように、近い物を明視する(はっきりと見る)ために目の屈折力を増すことを「目の遠近順応」という。無順応眼(遠近順応を行わない目)で明視できるもっとも遠くにある点を遠点、最大に遠近順応を行った目で明視できるもっとも近くにある点を近点という。近点以内の物体は明視できない。
 屈折力の増大は水晶体を厚くすること(とくにその前面の彎曲(わんきょく)度を増すこと)によってもたらされるが、年齢とともに水晶体が硬化して肥厚しにくくなると、遠近順応力もそれに伴って減退してくる。したがって、近点は年齢とともに遠ざかることになる。たとえば、20歳の近点は眼前約10センチメートルであるが、40歳では約20センチメートル、60歳では約80センチメートルに遠ざかる。このように40歳代以降になって近点が遠ざかることを老視(老眼)という。また、眼球の前後軸が正常より長い目では、平行光線が網膜より前方で結像する。これを近視(近眼)といい、凹レンズで矯正する。これに対して、眼球の前後軸が正常より短すぎる目では網膜より後方で結像する。これを遠視といい、凸レンズで矯正する。また角膜の曲率が一様でない場合には屈折度も異なるため、角膜のある経線上の光線と別の経線上の光線は別々の深さで結像し、像はぼやけて見える。これを乱視という。[市岡正道]

網膜の働き

物体の像を結ぶ網膜は10層の細胞層からなり、視細胞である桿状体(桿体)と錐状体(錐体)とは最外層に位置している。桿状体は網膜の周辺部に多く分布し、光に対する感受性が高く、暗い所で明暗の差を感知できる。錐状体は網膜の中心部に多く分布し、光に対して閾値(いきち)(感覚をおこすに有効な最小値)が高く、明るい所で色を感知する。両者にはそれぞれ特有の感光性色素が含まれており、光が当たると化学変化をおこす。これが「視細胞の興奮」である。
 この両視細胞は、双極細胞を介して神経細胞に連なっている。神経細胞の軸索(神経細胞より出る長い突起)は眼球を出ると視神経となり、視神経交叉(こうさ)を経て視索に続き、外側膝状体(しつじょうたい)に達する。視神経交叉では、両眼の網膜の左半分に由来する視神経線維は左側の、右半分に由来する視神経線維は右側の膝状体に達している。外側膝状体から発する視神経線維は視放線となり、同側の後頭葉の視覚領に終わる。視神経の軸索の枝は視索から離れて上丘に達し、視覚に基づくいろいろな反射(たとえば瞳孔(どうこう)反射や眼球運動反射など)を行っている。
 なお網膜は、細動脈が直接観察できる身体唯一の場所である。このため、糖尿病、高血圧、その他の血管の疾患の診断や病状判定には、検眼鏡による網膜の細動脈観察が重要な意味をもっている。[市岡正道]

明暗感覚と色覚

視覚には、光の量の多少によって生ずる明暗感覚と、光の波長の差に基づく色覚の二つがある。明暗感覚は外界の明るさによって変化するものであり、たとえば明るい所から暗い所へ入ると初めは物が見えないが、しだいに網膜の光に対する感受性が高まり、10~20分もすると物が見えるようになる。これを暗順応という。これに対して、暗い所から明るい所に出ると初めはまぶしくて物が見えないが、やがて網膜の光に対する閾値が高まってきて、目はその明るさに慣れてくる。これを明順応といい、明順応には約3分間を要する。暗順応は最初は網膜中心部にある錐状体を介して行われるが、この順応は軽度であり、これに続く網膜周辺部の桿状体における暗順応のほうが強く、長続きする。
 明るさの感覚(明度)は、光の波長、すなわち色(色相)によっても異なる。明るい所では黄(550ナノメートル付近)がもっとも明るく見え、スペクトルの長短両端へ向かうにつれて暗く見える。しかし光度を弱めていくと、もっとも明るく見える部位が黄から青緑(510ナノメートル付近)に移る。これを「プルキンエ現象」Purkinje phenomenonといい、1825年に発見された。夕暮れや明け方といった薄暗いときに緑や青が明るく際だって見えるのは、この現象のよい例である。[市岡正道]

視知覚

まっすぐ前方を向いていて目に見える範囲を視野といい、眼球を動かして見える範囲を注視野という。視力は、それぞれある大きさ、あるいはある広がりをもった2光体を2光体として分離識別できる最小視角の逆数をもって表される。実際には、6メートルの距離からの最小視角が1分(ぷん)のときを視力1としている。このときの2光体の網膜内の像の隔たりは約4マイクロメートルで、これは錐状体1個の幅にほぼ匹敵する。視力は複雑な要因で決められるものであって、光の照射方法、光の明るさ、光と背景との対比などのほか、眼球での結像の仕方、錐状体の性状などによっても影響される。
 繰り返し与えられる点滅光刺激が一つ一つの光刺激として感じられる最大点滅頻度を臨界融合頻度、またはフリッカー値という。中等度の明るさの光刺激のときのフリッカー値は毎秒35~70である。フリッカー値は、二つの色光の明るさの比較や疲労度の測定などに応用されている。
 物体の奥行を知覚することは、単眼でも両眼でも可能である。単眼視の場合は、遠近に対する遠近順応の努力の差や視差(目または物体が移動することにより網膜上の像が移動すること)によって奥行が知覚される。また経験によって物体の大きさや形などを知っている場合には、陰影のでき方などによって奥行が知覚される。両眼視の場合は、主として輻輳(ふくそう)度(両眼注視線が見ようとする一点に集合する度合い)と両眼視差(両眼網膜像の差)によって知覚されるが、単眼視の場合に比べれば一段と精密である。[市岡正道]

動物の視覚

ヒトに限らず、動物一般についても、光によって生ずる感覚を視覚という。通常は、広義の光感覚と区別し、特定の光受容器である目の働きによる感覚をさすが、光感覚と同義に用いられることも多い。視細胞に光が当たると、細胞に含まれる感光色素タンパク質(視物質)の光化学作用によって視細胞に電気的な応答が引き起こされる。脊椎(せきつい)動物の視細胞では、網膜の桿状体細胞と錐状体細胞に生ずる変化は、膜を横切って流れるナトリウム電流の低下による過分極であるが、無脊椎動物における変化は脱分極である。視覚は主として目の構造に応じて発達し、明暗、光のくる方向、物体の動き、形や遠近などが識別されるようになる。また異なる波長の光を吸収する視物質の組合せによって波長の差が識別される。脊椎動物や棘皮(きょくひ)動物の視細胞は、繊毛軸糸をもった繊毛型であるが、節足動物や軟体動物の視細胞は、微絨毛(びじゅうもう)の配列する感桿型である。節足動物では多くの個眼が集合した複眼をもつが、軟体動物と脊椎動物は発達したカメラ眼による形態視を行う。[村上 彰]

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世界大百科事典内の視覚の言及

【光学】より

…このような意味での今日の光学は物理学の一分科にすぎないが,少なくとも17世紀までは,科学者ばかりか,哲学者や神学者さえもこの学問に取り組んだ。しかも,光学の名のもとに,反射や屈折だけではなく,視覚の問題や,場合によっては眼球の解剖学と生理学すら論じられたのである。 まず,古代には,数学者として知られるユークリッド(エウクレイデス)が光の直進性と反射を研究し,哲学者のアリストテレスも色彩の問題を論じた。…

【心身問題】より

…とりわけ外部刺激が脳に作用して世界風景が見え聞こえるという生理学公認の事実の再解釈が必要である。視覚を例にとる。まず視覚の風景が〈見透し〉構造をもつことに留意する。…

【知覚】より

…ケーラーは,あらゆる知覚現象には必ずそれに対応する脳の生理的過程があるという心理物理同型論psychophysical isomorphismの立場から,仮現運動が実際の運動と等しい生理過程を大脳皮質にひき起こすのであろうと考えた。最近の神経生理学的研究によると,実際にネコやサルの視覚野とその周辺で記録される運動感受性細胞は,連続的な運動だけでなく仮現運動にもよく反応する。したがって今日では,知覚は受容器でとらえた感覚信号の空間的・時間的パターンから,中枢神経系で何段階かの情報処理を経て読み取られた,あるまとまった意味のある情報であると理解されている。…

【中脳】より

…上丘はその構造に対応していろいろの機能を行っている。最も重要なものは視覚に関係するものである。上丘は,大脳の後頭葉にある後頭眼野や前頭葉にある前頭眼野などの目の動き(眼球運動)をコントロールしている部分から司令を受けている。…

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