綺ふ(読み)いろう

精選版 日本国語大辞典 「綺ふ」の意味・読み・例文・類語

いろ・ういろふ【綺・辞・弄】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ハ行四段活用 〙
    1. かかわり合う。関与する。世話をやく。
      1. [初出の実例]「くら人五位とていそがしくおひつかふめれば、いづくにもいろひて見ゆめる」(出典:前田本枕(10C終)二六六)
      2. 「例の忍ぶる道はいつとなくいろひ仕うまつる人なれば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)松風)
    2. 口出しする。干渉する。
      1. [初出の実例]「ここに文覚もとよりおそろしき聖にて、いろうまじき事にいろいけり」(出典:平家物語(13C前)一二)
    3. 争う。さからう。断わる。辞退する。
      1. [初出の実例]「武藤太も酒なくては、いかで情を引くことあらんとおもひて、ふかくもいろはず」(出典:読本・椿説弓張月(1807‐11)前)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ハ行四段活用 〙 ( 弄 ) 手を触れる。いじる。もてあそぶ。
    1. [初出の実例]「後人が王衍が料足をいろうを見て指銭阿堵物を挙るやと云たを、さては料足の事ぢゃと心得たぞ」(出典:寛永刊本蒙求抄(1529頃)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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