縹渺(読み)ヒョウビョウ

デジタル大辞泉 「縹渺」の意味・読み・例文・類語

ひょう‐びょう〔ヘウベウ〕【××渺/××緲/××眇】

[ト・タル][文][形動タリ]
広くはてしないさま。
「―たる雪の広野を隔てて」〈鏡花・註文帳〉
かすかではっきりとしないさま。
慷慨こうがい節義の譚に、神仙―の趣を交ゆ」〈露伴運命

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「縹渺」の意味・読み・例文・類語

ひょう‐びょうヘウベウ【縹渺・縹緲・瞟眇】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用タリ 〙 ほんのりかすかであるさま。遠くかすかではっきりしないさま。
    1. [初出の実例]「三山漂眇滄瀛外、五嶽嵯峨赤県中」(出典:凌雲集(814)九月九日侍宴神泉苑各賦一物得秋山〈菅原清公〉)
    2. 「余韻が縹緲と存するから含蓄の趣を百世の後に伝ふるのであらう」(出典:草枕(1906)〈夏目漱石〉三)
    3. [その他の文献]〔杜甫‐白帝城最高楼詩〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android