広野(読み)コウヤ

デジタル大辞泉 「広野」の意味・読み・例文・類語

こう‐や〔クワウ‐〕【広野/×曠野】

広々とした野。ひろの。
[類語]野原平原広野ひろの広原高原原っぱ松原草原そうげん草原くさはら草地野中野良野末野面田野

ひろ‐の【広野】

広々とひらけた野原。
[類語]野原平原広野こうや広原高原原っぱ松原草原そうげん草原くさはら草地野中野良野末野面田野

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精選版 日本国語大辞典 「広野」の意味・読み・例文・類語

ひろ‐の【広野】

  1. 〘 名詞 〙 広い野。広原。こうや。
    1. [初出の実例]「賊徒相謀て広野(ヒロノ)に火を放て」(出典太平記(14C後)二五)

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日本歴史地名大系 「広野」の解説

広野
ひろの

[現在地名]久慈市枝成沢

久慈川と夏井なつい川に挟まれた標高二〇〇メートルの台地に東西一里二四町・南北五町にわたって開かれた牧野(管轄地誌)。寛文四年(一六六四)八戸藩創設に伴い翌五年妙野みようの(現青森県八戸市)とともに盛岡藩から分与された二牧の一つで、当時は父馬一・母駄四〇で野守は一人であった。「雑書」正保元年(一六四四)八月二一日条に「久慈広野御野馬別当助右衛門御役儀御赦免被下度由」とあるが、助右衛門は累代の野守であったと考えられる。給人の野馬別当は盛岡藩の御野馬役所におり、春の野焼・野放、秋の野捕など多人数を要するときにのみ出動した。普段は野守(八戸藩では馬守)が責任者として牧野の管理に当たり、在地の者が任命された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「広野」の意味・わかりやすい解説

広野(町)
ひろの

福島県浜通り中部、双葉郡(ふたばぐん)の町。1940年(昭和15)町制施行。JR常磐(じょうばん)線、国道6号が通じ、常磐自動車道広野インターチェンジがある。東は太平洋に臨み、西は阿武隈(あぶくま)高地の前山の丘陵、台地。北迫(きたば)川、浅見川、折木(おりき)川が東流し沖積地が展開する。農業が中心で、米、蔬菜(そさい)のほかにシイタケ栽培、ニジマス漁なども行われる。1980年(昭和55)沿岸部の東京電力広野火力発電所が出力120万キロワットで運転を開始した。2019年(令和1)時点の総出力は440万キロワット。また、インターチェンジ近くに工業団地があり、企業進出がみられる。中心の広野は在方(ざいかた)町。南西部に折木鉱泉がある。面積58.69平方キロメートル、人口5412(2020)。

[原田 榮]

〔東日本大震災〕2011年の東日本大震災では死者47人・行方不明1人、住家全壊160棟・半壊593棟を数えた(消防庁災害対策本部「平成23年東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)について(第159報)」平成31年3月8日)。原発事故が発生した東京電力福島第一原子力発電所から20~30キロメートル圏内に位置していたため、緊急時避難準備区域に指定されたが、2011年9月に解除された。しかし、2017年12月時点で、855人(うち県外168人)が避難生活を送っている(ふくしま復興ステーション)。

[編集部 2019年10月18日]

『根本一良著『広野郷土誌』(1966・広野町)』『『広野町史』全7冊(1991~2006・広野町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「広野」の意味・わかりやすい解説

広野[町] (ひろの)

福島県東部,双葉郡の町。人口5418(2010)。浜通り地方南部,いわき市の北隣に位置する。西部は阿武隈高地の丘陵からなり,東流して太平洋に注ぐ浅見川などの中小河川の流域に耕地が開ける。小規模農家が多く,米作,養蚕,葉タバコなどの複合経営を行うが,産業の中心は第2次,第3次産業へ移行している。常磐炭田の北端に位置し石炭を産したが,1976年までに全炭鉱が閉山し,過疎化が進んだ。その後,80年に総出力120万kWの東京電力広野火力発電所が運転を開始し,企業誘致も行われている。海岸部をJR常磐線,国道6号線が並行して走り,さらにその西方を常磐自動車道がいわき市に通じる。南部山間地に折木(おりき)鉱泉がある。折木北沢池ではカモノハシリュウの化石が発見された。2011年3月の福島原発事故に際し,町役場機能を一時,福島県いわき市へ移転したが,12年3月,役場本庁で業務を再開した。
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普及版 字通 「広野」の読み・字形・画数・意味

【広野】こう(くわう)や

ひろい野。〔史記天官書旁の蜃氣(しんき)は樓臺に象り、廣野の氣は宮闕すこと然り。雲氣各其の山川人民の聚積するに象(かたど)る。

字通「広」の項目を見る


【曠野】こう(くわう)や

あらの。〔史記、孔子世家〕詩に云ふ、(じ)に匪ず虎に匪ず 彼の曠野に(したが)ふと。吾が非なるか。吾(われ)何爲(なんす)れぞ此(ここ)に於てする。

字通「曠」の項目を見る

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百科事典マイペディア 「広野」の意味・わかりやすい解説

広野[町]【ひろの】

福島県東部,双葉(ふたば)郡の町。太平洋に面し,浅見川,折木川の流域を占め丘陵地が広い。中心は陸前浜街道の旧宿駅浅見川で常磐線,常磐自動車道が通じる。米作,畑作を行う。東京電力火力発電所がある。東日本大震災で,町内において被害が発生。58.69km2。5418人(2010)。
→関連項目広野[発電所]

広野[発電所]【ひろの】

福島県広野町にある,東京電力の原油・重油・ガス・石炭を燃料とする火力発電所。1980年稼動開始。最大出力380万kW(2010年現在)。総敷地面積約132万m2内に主要5基の発電設備を有する。

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