纏向日代宮(読み)まきむくのひしろのみや

日本歴史地名大系 「纏向日代宮」の解説

纏向日代宮
まきむくのひしろのみや

景行天皇の宮。「日本書紀」景行天皇一一年一一月の条に「則ちまた纏向に都つくる。是を日代宮と謂す」とある。「帝王編年記」に「大和国城上郡、今巻向檜林是也」、「大和志」に「在穴師村北」(穴師集落北方に小字樋尻がある)という。「大和志料」は、寛文一二年(一六七二)の巻向山九ケ村鎌数割付帳に「都古谷亦檜林云十町七段四畝太田村」とあることから、都古谷みやこだにの地を宮跡としている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の纏向日代宮の言及

【磯城】より

…磯城県は4~5世紀ころの成立とみられるが,その地域が中心となって奈良時代の城上(しきのかみ)郡,城下(しきのしも)郡ができる。崇神天皇の磯城瑞籬宮(みずがきのみや),垂仁天皇の纏向珠城宮(まきむくのたまきのみや),景行天皇の纏向日代宮(ひしろのみや),欽明天皇の磯城嶋金刺宮(しきしまのかなさしのみや)などが営まれたことが《日本書紀》にみえ,この地域は磐余(いわれ)地域とともに狭義のヤマトの主要部分を占め,古代の政治・文化の中心であった。埼玉県稲荷山古墳出土の鉄剣銘にみえる〈獲加多支(わかたける)大王〉(雄略天皇)の〈斯鬼宮(しきのみや)〉は大和のシキ地域の宮であるとする説が有力で,雄略天皇の泊瀬朝倉宮(はつせのあさくらのみや)が存在したとみられる地域も含めてシキを考えることもできる。…

※「纏向日代宮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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