精選版 日本国語大辞典 「日照」の意味・読み・例文・類語
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太陽の直射光が地物を照射すること。気象観測の用語。薄い雲があっても地物の影ができる程度であれば、日照があったとみなす。日照は気象学では天気や雲量の指標として利用されるほか、農業、建築などに広く利用される。日照を計る器械を日照計という。また、1日中あるいは1か月中などに日照のあった時間を合計して日照時間という。
日照時間は全国の気象官署で測定されており、その結果がまとめられている。日本各地のおもな気象官署の1971年(昭和46)から2000年(平成12)までの統計によれば、月間の日照時間は北海道の札幌での最大月は5月で196.7時間、最小月は12月で86.9時間、東京での最大月は5月で180.9時間、最小月は9月で112.9時間、沖縄県の那覇(なは)での最大月は7月で243.6時間、最小月は2月で84.6時間となっている。
[大田正次・股野宏志]
建築学では太陽の動きによる地表での直達日射の強さや向きを取り扱う技術に関して用いられる。単に日当りをいうこともある。日照はきれいな空気や緑とともに人間生活に欠かせないもので、日本ではとくに住宅には必要とされている。共同住宅(アパート、マンション)の一つ以上の居室に冬至の日4時間以上、できれば6時間以上の日照を受けることが望ましい。建築基準法では、中高層の建物によって周辺の住宅などに日影(ひかげ)障害を与えないよう日影規制(56条の2)が定められている。
[松浦邦男]
日影曲線は、地平面上に鉛直に立てた棒の先端の日影の軌跡であり( の下図)、一方日ざし曲線は、観測点Oに入射する太陽光線が地平面に平行な水平面を切る点の軌跡である( の上図)。日影曲線を用いれば に示すような建物などの日影図を描ける。また、観測点Oから水平面までの高さH( 参照)を種々変えた日ざし曲線を重ねて一つの図に描いた日ざし曲線群を日照図表とよぶ。これに障害物となる建物などの平面を描き、その建物の高さHに相当する日ざし曲線より観測点(O点)側に出る部分を、O点を頂点とする2直線で挟み、この2直線と重なる時刻を読み取って、この建物によってO点が日影となる時間が求められる( )。
[松浦邦男]
日照調整は、建物の形、方位、窓開口の向き、庇(ひさし)や日よけなどを、その建物の用途を考慮に入れて、夏季は日射遮蔽(しゃへい)、冬季は日照利用ができるよう年間を通じて総合的に計画すること。その方法は種々あり、建築群の配置計画や建物の平面計画、窓、開口および庇、日よけの詳細な計画、さらには窓ガラスの材料の選択まである。例を示せば、住宅団地において隣棟間隔を適正にとって冬至に全戸4ないし6時間日照を得ること、主要開口部をできるだけ南向きに近くとって、冬季に多く、夏季に少ない日射量とすること、さらにこの効果を増すよう南向き開口に庇を取り付けること、日射を遮蔽するとともに採光のために反射光を利用できるルーバーlouverやフィンfin(数枚の板で構成され、ルーバーほど数が多くないもの)を窓外に設置すること、また同様の効果をもつベネチアンブラインドVenetian blindや縦形ルーバーブラインドを室内に設備することなどがある。
[松浦邦男]
『石原舜介著『住環境における日照の評価とその基準 日照問題解決への考察』(1973・首都圏懇話会)』▽『日本建築学会編『日照の測定と検討』(1977・彰国社)』▽『田中授・柳瀬正敏著『これだけは知っておきたい日照計画の知識』(1985・鹿島出版会)』▽『好美清光・大倉忠夫・朝野哲朗著『日照・眺望・騒音の法律紛争――隣近所快適ライフへのアドバイス』(1999・有斐閣)』▽『松浦邦男著『エース建築環境工学1 日照・光・音』(2001・朝倉書店)』
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…集団規定としては,用途地域および防火地域,美観地区その他の地域地区制に基づいた建築物の用途,形態,構造の制限があげられる。市街地の環境に関する最近の話題としては,マンションブームなど市街地の高度化に伴い,日照や通風の侵害問題などがあった。個々の建築の自由との兼合いがむずかしいと考えられていたが,日照確保の要望は強く,建築基準法による規定として北側斜線制限(1970改正),日影規制(1976改正。…
※「日照」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
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