日本歴史地名大系 「羽野郷」の解説 羽野郷はのごう 鹿児島県:大隅国菱刈郡羽野郷「和名抄」所載の郷。同書高山寺本など諸本とも訓を欠く。「鹿児島県史」はハノまたはハヌといずれに読むとしても比定すべき地名がなく、羽月(はつき)村(現大口市)かあるいは柞野の誤りでタラノと読み、後世の太良(たら)院とする説もあるが、不詳という。「大同類聚方」に「菱刈郡羽野里人」の家の処方する羽野薬が記される。川内(せんだい)川流域で、郡家が置かれたとみられる菱刈郷と隣接して、大隅国建久図田帳に記される「筒羽野四十八丁五段一丈」がある。筒羽野(つつはの)は現吉松(よしまつ)町域で、菱刈町の東に位置する。本来筒羽野であったものが、和銅六年(七一三)の郡名・郷名は好字を用いよなどとする制によって羽野となった可能性が大きい。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by