精選版 日本国語大辞典 「つつ」の意味・読み・例文・類語
つつ
〘接助〙 (活用語の連用形を承けて)
※万葉(8C後)五・八八〇「天離(ざか)る鄙に五年住まひ都々(ツツ)都のてぶり忘らえにけり」
② 二つの動作が並行して行なわれることを示す。ながら。
③ 単純な接続を表わす。「て」とほぼ同じ。
※大鏡(12C前)六「おほかたそのほどには、かたがたにつけつつ、いみじき人々のおはしまししものをや」
[語誌](1)①の用法中の反復を表わす場合には、動作主体が複数であることによる反復も含まれる。「万葉‐八二八」の「人毎に折りかざし都々(ツツ)遊べどもいやめづらしき梅の花かも」、「土左‐承平五年二月七日」の「なかりしもありつつ帰る人の子をありしもなくてくるが悲しさ」など。
(2)反復・継続の用法が和歌の文末に用いられると、多く詠嘆が感じられる。「万葉‐四四五二」の「少女らが玉裳裾引くこの庭に秋風吹きて花は散り都々(ツツ)」、「古今‐春上」の「君がため春の野に出でて若菜つむ我衣手に雪は降りつつ〈光孝天皇〉」など。
(3)「つつ」に本来逆接の意があるわけではないが、前後の文脈から「…にもかかわらず」「…ながら」と訳される場合がある。「万葉‐四二〇八」の「吾が幾許(ここだ)待てど来鳴かぬ霍公鳥独り聞き都追(ツツ)告げぬ君かも」、「洒落本・猫謝羅子」の「しらねへおいらでもねへ。それをしりつつたのむのだ」など。
(2)反復・継続の用法が和歌の文末に用いられると、多く詠嘆が感じられる。「万葉‐四四五二」の「少女らが玉裳裾引くこの庭に秋風吹きて花は散り都々(ツツ)」、「古今‐春上」の「君がため春の野に出でて若菜つむ我衣手に雪は降りつつ〈光孝天皇〉」など。
(3)「つつ」に本来逆接の意があるわけではないが、前後の文脈から「…にもかかわらず」「…ながら」と訳される場合がある。「万葉‐四二〇八」の「吾が幾許(ここだ)待てど来鳴かぬ霍公鳥独り聞き都追(ツツ)告げぬ君かも」、「洒落本・猫謝羅子」の「しらねへおいらでもねへ。それをしりつつたのむのだ」など。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報