耐酸鋳鉄(読み)たいさんちゅうてつ(その他表記)acid-resisting cast iron; acidproof cast iron

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「耐酸鋳鉄」の意味・わかりやすい解説

耐酸鋳鉄
たいさんちゅうてつ
acid-resisting cast iron; acidproof cast iron

ケイ素ニッケルクロムなどを添加して耐酸性を強化した鋳鉄。次の3種がある。 (1) 高ケイ素鋳鉄 ケイ素 13~17%を含む鋳鉄で,フッ化水素高温の濃塩酸以外の酸には溶けず,強い耐食性を示す。硬くてもろいので,鍛造,切削はできない。研磨して化学装置用材料とする。 (2) 高ニッケル鋳鉄 ニッケル 14~30%のほか,銅,クロム,モリブデンを含む鋳鉄。オーステナイト系の金属組織を有し,耐食性が大きく,市販のニレジストは硫酸用弁,下水装置などに使用される。 (3) 高クロム鋳鉄 クロム 24~35%を含む鋳鉄。硝酸リン酸に強く,硫酸,塩酸,強アルカリには弱い。

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