化学辞典 第2版 「耐食材料」の解説
耐食材料
タイショクザイリョウ
corrosion resistant material
腐食性に対して耐性のある材料.材料の腐食に影響を与える因子としては,材料の特性だけでなく,
(1)酸素濃度,
(2)腐食促進あるいは抑制剤の存在,
(3)保護皮膜,
(4)温度,
(5)接触する流体の流速,
(6)材料の均質度,
などがあげられ,耐食材料を選択する場合,これらを十分検討しなければならない.一般に,金属材料は電気化学的作用を受けやすいために,ステンレス鋼やニッケル,銅などとの合金の形で耐食性を増している.非金属材料(酸化物など)は高温度でも安定なものが多くあり,電気化学作用を受けにくいが,強度,加工性の点では金属に劣る.プラスチック材料は,強度および温度には一般に弱いが,種々の腐食性物質に対して耐食性がある.そこで,強化繊維(ガラス,カーボンなど)を用いることにより強度を高めて用途を広げている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報