耳管狭窄(読み)じかんきょうさく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「耳管狭窄」の意味・わかりやすい解説

耳管狭窄
じかんきょうさく

上咽頭(いんとう)と中耳腔(くう)(鼓室)を連結する長さ約3.5センチメートルの耳管が狭くなった状態をいう。これには耳管炎などで耳管そのものが狭くなったものと、耳管周囲の病気で耳管が圧迫されて狭くなったものがある。アデノイド上咽頭腫瘍(しゅよう)は耳管の上咽頭開口部を圧迫して耳管狭窄をおこす。耳管は中耳腔内と外界気圧が等しくなるようにしているので、これが狭くなると中耳腔内の空気は外界から遮断され、中耳腔の粘膜によりその空気が徐々に吸収されると中耳腔内の気圧が下がる。そのために鼓膜内側へへこみ、耳が詰まったような感じや難聴がおこる。ひどくなると、中耳腔に滲出(しんしゅつ)液が貯留してくる。

[河村正三]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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