滲出(読み)にじみでる

精選版 日本国語大辞典「滲出」の解説

にじみ‐・でる【滲出】

〘自ダ下一〙
① 液体がじわじわとわき出てひろがる。
※京に着ける夕(1907)〈夏目漱石〉「むくむくと血管を無理に越す熱き血が、汗を吹いて総身に煑浸み出はせぬかと感じた」
② 感情や思いが自然にわき出る。
※彼女と少年(1917)〈徳田秋声〉二「此一二年の間に初めて心の融合ったやうな愛が滲(ニジ)み出(デ)るのが感ぜられたが」

にじみ‐だ・す【滲出】

〘自サ五(四)〙 液体や色がしみでる。また、しみだしはじめる。
※滑稽本・浮世床(1813‐23)二「墨書の外へ藍がにじみ出(ダ)すやら」

しん‐しゅつ【滲出】

〘名〙
① (液体などが)外へにじみでること。しみでること。〔改正増補和英語林集成(1886)〕
② 急性の炎症のときにみられる現象で、血清のある成分が毛細血管を通じて血管外に出ること。
※七新薬(1862)三「又急性の腹水腫、及び胸膜間漿液滲出の症に用ひて効あり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉「滲出」の解説

しん‐しゅつ【×滲出】

[名](スル)
液体が外ににじみ出ること。
「地の細孔から―する乳汁(にゅうじゅう)によって養われて」〈寅彦・ルクレチウスと科学
炎症によって血管壁や組織性質が変化して、血液組織液が血管外にしみ出ること。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の滲出の言及

【炎症】より

…1793年J.ハンター(スコットランドの外科医)は,炎症とは病気ではなく,個体に有益な効果を起こすための反応〈生体防御反応〉であるという考えを導入した。コーンハイムJulius Cohnheim(1839‐84)は,炎症の起こる経過をカエルの腸間膜を用いて顕微鏡で観察し,炎症の初めに血管が拡張し,次いで血液の流れが変化し,そして白血球や血清が血管からしみ出る(滲出という)ことを記載し,炎症の実験的研究の口火を切った。この観察は現在でも確認されている重要な知見であった。…

※「滲出」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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