滲出(読み)シンシュツ

デジタル大辞泉 「滲出」の意味・読み・例文・類語

しん‐しゅつ【×滲出】

[名](スル)
液体が外ににじみ出ること。
「地の細孔から―する乳汁にゅうじゅうによって養われて」〈寅彦・ルクレチウスと科学
炎症によって血管壁組織性質が変化して、血液組織液が血管外にしみ出ること。
[類語]漏れる漏るこぼれる漏出ろうしゅつ滲む滲み出る

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「滲出」の意味・読み・例文・類語

しん‐しゅつ【滲出】

  1. 〘 名詞 〙
  2. (液体などが)外へにじみでること。しみでること。〔改正増補和英語林集成(1886)〕
  3. 急性の炎症のときにみられる現象で、血清のある成分毛細血管を通じて血管外に出ること。
    1. [初出の実例]「又急性の腹水腫、及び胸膜間漿液滲出の症に用ひて効あり」(出典:七新薬(1862)三)

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世界大百科事典(旧版)内の滲出の言及

【炎症】より

…1793年J.ハンター(スコットランドの外科医)は,炎症とは病気ではなく,個体に有益な効果を起こすための反応〈生体防御反応〉であるという考えを導入した。コーンハイムJulius Cohnheim(1839‐84)は,炎症の起こる経過をカエルの腸間膜を用いて顕微鏡で観察し,炎症の初めに血管が拡張し,次いで血液の流れが変化し,そして白血球や血清が血管からしみ出る(滲出という)ことを記載し,炎症の実験的研究の口火を切った。この観察は現在でも確認されている重要な知見であった。…

※「滲出」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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