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難聴 なんちょう impaired hearing; hypoacousis

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

難聴
なんちょう
impaired hearing; hypoacousis

聴覚の低下した状態。障害が外耳道,鼓膜,中耳の鼓室小骨などの伝音器にあって起るものを伝音性難聴,内耳の蝸牛から中枢にいたる部分にある障害によって起るものを感音性難聴という。前者は音声を正確に受取る能力は侵されておらず,中耳の伝音系を手術で再生したり,補聴器で補正したりできる。

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デジタル大辞泉の解説

なん‐ちょう〔‐チヤウ〕【難聴】

聴力が弱いために、音や声がよく聞きとれない状態。中耳炎などの病気や老化、騒音に長時間さらされたときなどに起こる。
ラジオなどの放送が聞きとりにくいこと。「難聴地域」

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百科事典マイペディアの解説

難聴【なんちょう】

聴力の低下した状態。伝音性難聴・感音性難聴・混合性難聴に大別する。伝音性難聴は外耳から中耳までの障害(耳垢栓塞(じこうせんそく),外耳道閉鎖,鼓膜穿孔(せんこう),中耳炎など)によるもので,感音性難聴は蝸牛(かぎゅう)から中枢までの障害により,部位または原因によって内耳性,耳神経性,脳中枢性,また老人性,職業性,薬剤性難聴などと呼ぶ。
→関連項目構音障害人工内耳ポジトロン断層撮影法耳鳴りメニエール病聾唖

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家庭医学館の解説

なんちょう【難聴 Hearing Loss, Deafness】

◎病気に応じて対応
 音が耳に伝わって感じるまでの経路(聴覚路(ちょうかくろ))のどこかに障害があると、聴力(ちょうりょく)が低下します。この音の聞こえの悪くなった状態が、難聴です。
 難聴は、外耳(がいじ)、中耳(ちゅうじ)に原因があっておこる伝音難聴(でんおんなんちょう)、内耳(ないじ)、聴神経(ちょうしんけい)・脳に原因があっておこる感音難聴(かんおんなんちょう)と、この2つが混在した混合難聴(こんごうなんちょう)に大別できますが(「伝音難聴と感音難聴」)、その原因・程度・治療法はさまざまで、病気に応じた対応が必要になります。
 いずれの難聴の場合も、早期発見し、治療を開始することがたいせつです。
 また、日常生活での予防が有効な場合も少なくありません。
 聞こえに異常を感じたり、難聴が疑われるときは、早めに耳鼻咽喉科医(じびいんこうかい)の診察を受けることがたいせつです。

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食の医学館の解説

なんちょう【難聴】

《どんな病気か?》
〈聴力の低下だけでなく言葉の聞きとり能力も落ちる〉
 音が耳に伝わって感じるまでの経路のどこかに障害があると、聴力が低下します。あるいは脳の血行が十分でないと、耳に流れる血液も不足して音が聞こえにくくなります。
 この音の聞こえが悪くなった状態が難聴(なんちょう)です。とくに加齢によって聴力が低下している場合を老人性難聴といいます。
 耳の老化は40歳代からはじまるといわれています。最初は高音部から聞こえにくくなりますが、初期には自覚症状はありません。やがて徐々に中低音部も聞こえなくなり、日常会話に支障がでるようになって、はじめて難聴に気づきます。
 単に聴力が低下するだけでなく、実際には音が聞こえていても、なにを言っているのかわからなかったり、聞きまちがえるなど、言葉を聞きとる能力も低下するのが特徴です。
《関連する食品》
〈脳の血行をよくするIPA、DHA、ギンコライド〉
○栄養成分としての働きから
 動脈硬化は難聴を進行させる危険因子の1つです。
 逆に脳の血行をよくすると、難聴の症状も改善されてくることがわかっています。
 そこで、脳への血液循環をよくする食事がポイントになります。
 具体的には、魚の脂(あぶら)に多く含まれるIPA(イコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)を積極的にとるといいでしょう。
 IPAには、血管を広げる、血液をさらさらにして流れやすくするといった働きがあります。
 DHAにも、血液をかたまりにくくする働きがあるほか、脳や神経組織の機能を高める働きもあります。脳や神経組織にはDHAが多く含まれており、不足すると情報伝達がうまくいかなくなります。したがって、言葉を聞きとる能力にも影響がでてくる可能性があります。IPAはブリ、キンキイワシなどに、DHAはマグロ、タイ、ブリ、サンマなどに多く含まれています。
 ほかにイチョウの葉やギンナンに多く含まれるギンコライドにも血行をよくする働きがあり、難聴や耳鳴りによいとされています。イチョウの葉はお茶として売られているので、利用してみるのもいいでしょう。
 またダイズや卵黄に多く含まれるレシチンは、動脈硬化を予防したり、脳や神経組織の機能維持に働くので、あわせてとるといいでしょう。

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世界大百科事典 第2版の解説

なんちょう【難聴 deafness】

耳に種々な障害があって,きこえの能力が低下または消失している状態をいう。〈耳が遠い〉と表現され,耳鳴りを伴うことが多い。きこえの仕組みはたいへん複雑であるが,解剖学的に大別すると,音が物理的に処理される伝音機構である外耳,中耳と,生物学的に精巧な神経支配を受ける感音機構である蝸牛(内耳),聴神経,聴覚中枢に分類でき,最終的には大脳の側頭葉にある聴皮質中枢において知覚される。そこで,障害部位によって難聴にもそれぞれ特色があり,一般に伝音性難聴と感音性難聴,混合性難聴に分類されるが,これらは聴力検査によって鑑別診断することができる。

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大辞林 第三版の解説

なんちょう【難聴】

聴力が低下してはいるが、聴力を音声言語の受容や言語獲得の手段として使うことは可能な状態。音波の伝達路(外耳・中耳)に障害が生じた時(伝音性難聴)、内耳から中枢に至る聴覚神経系が冒された時(感音性難聴)にみられる。中耳炎・メニエール病・ストレプトマイシンの副作用などのほか、遺伝・外傷・老化によっても起こる。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

難聴
なんちょう

耳の聞こえる力が悪い状態をいう。正常の人が聞こえる最小の強さの音(最小可聴閾値(いきち))が聞こえず、音をそれよりも強くしないと聞こえない状態である。[河村正三]

伝音難聴

音波は外耳道から入り、外耳道の奥にある鼓膜を振動させる。この振動が鼓膜の裏についているツチ骨、さらにキヌタ骨、アブミ骨(耳小骨連鎖)を経て、内耳に入る。そこまでの器官を聴覚の伝音器とよび、伝音器のどこかに病気があるためにおこった難聴を伝音難聴という。耳垢(じこう)が外耳道にいっぱい詰まった耳垢栓塞(せんそく)や中耳炎などによる難聴がこれであり、治療により改善が可能である。伝音難聴の場合は量的な難聴だけなので、音をある程度強くすれば明瞭(めいりょう)に聞き取ることができる。したがって補聴器は非常によく効く。[河村正三]

感音難聴

伝音難聴に対して、内耳より奥(中枢側)にある聴覚の器官(感音器官)に病気があるためにおこった難聴を感音難聴という。内耳に入った音波による振動は内耳液を振動させ、内耳液に接触しているコルチ器の感覚細胞が振動を神経の刺激に変換して、この細胞に連結している聴神経を興奮させる。聴神経は頭蓋(とうがい)内に入り、脳橋の中にある聴神経核で終わる。この核でさらに中枢の神経が刺激され、その神経が興奮するというように、四つか五つの神経(聴覚中枢経路)を経て、大脳の聴野にある聴覚中枢で音を感じ取るのである。内耳からここまでが感音器官である。感音難聴では量的なだけではなく質的な聞こえ方も侵されることが少なくなく、治療による改善は伝音難聴と比べて非常に困難であることが多いばかりでなく、補聴器の使用には適切な訓練が必要である。
 一方、病気がある部位によって難聴の性質も異なるので、感音難聴はさらにいくつかの難聴に区別されている。内耳に病気のあるものを内耳性難聴という。感覚細胞に病気が限局していると、音の強さがわずかに変化しても、正常の人よりも大きく感ずる傾向があるので、補聴器の使用の際に音が大きくなりすぎないような注意が必要である。このもっとも典型的なものは内耳炎とメニエール病による難聴である。ストレプトマイシン、カナマイシンのようなアミノ配糖体抗生剤をはじめとした薬剤による難聴、非常に強い音が原因でおこる音響外傷性難聴、騒音のある場所あるいは職場でおこる騒音性難聴や職業性難聴、加齢によっておこる老人性難聴、頭部外傷性難聴、妊娠している母親が風疹(ふうしん)にかかったために新生児におこる先天性風疹症候群の難聴、多くの遺伝性難聴などはいずれも内耳性の難聴である。内耳よりも中枢の聴覚の神経経路に病気があるためにおこるものを後(こう)迷路性難聴という。聴神経腫瘍(しゅよう)では異常な聴覚順応を示すのが特徴的である。聴神経核より中枢の病気によるものを、中枢性難聴という。中枢性難聴は量的な障害よりも質的な障害が大きいのが特徴である。[河村正三]

難聴の程度

難聴の程度を表現するのに、500と2000ヘルツの聴力レベルに1000ヘルツの聴力レベルを2倍にして加え、4で割った数値(四分法)を用いることが多い。その数値により、軽度難聴(聴力レベルが40デシベル以下)、中等度難聴(40から60デシベル)、高度難聴(60から80デシベル)および聾(ろう)(80デシベル以上)を区別することがある。しかしこの数値の計算方法はいろいろあり、定まった方法はない。一方、難聴のある周波数から高音難聴や低音難聴などと表現することもある。[河村正三]

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世界大百科事典内の難聴の言及

【中耳炎】より

… 鼓膜に穴(穿孔(せんこう))があって閉じないときは,慢性中耳炎とよばれる。難聴と耳からの排膿(耳漏,みみだれ)がみられるが,痛みはほとんどない。鼓膜の穿孔だけの場合は慢性化膿性中耳炎,穿孔部から外耳の皮膚が中耳に入りこむと慢性真珠腫性中耳炎とよぶ。…

【聴力改善手術】より

…外耳や中耳の異常のため音を伝える構造に変化がおこって難聴があるとき,手術してこれを処置し,きこえをよくすることができる。これらの手術を総称して聴力改善手術という。…

【突発性難聴】より

…聴覚に異常のなかった人が突然難聴になることで,その特徴として次の三つの主症状があげられる。すなわち,(1)突発的に難聴が発現する,(2)難聴の性質は高度の感音性難聴である,(3)難聴の原因が不明,の三つである。…

【耳】より

…すなわち中耳の働きが正常に行われるには,鼓膜とそれにつながる耳小骨連鎖に可動性があること,前庭窓,蝸牛窓も可動性があって,耳骨の機能もよいことが条件となる。これらのいずれか一つに病変が生じると難聴となる。 音が鼓膜を振動させると,その振動は耳小骨に伝わり,あぶみ骨を振動させる。…

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