聖興寺(読み)しようこうじ

日本歴史地名大系 「聖興寺」の解説

聖興寺
しようこうじ

[現在地名]松任市西新町

中野山と号し、真宗大谷派。本尊阿弥陀如来。松任四ヵ寺の一。寺伝によると、明応三年(一四九四)明源が徳光とくみつ村に徳光寺を建て、文禄年間(一五九二―九六)に現寺号に改め、慶長六年(一六〇一)宮保みやぼ村に、慶安元年(一六四八)当地に移転したとするが(寺院明細帳)、「宮保聖興寺」の名は、文亀三年(一五〇三)三月に下された寺蔵の阿弥陀如来絵像裏書や、「天文日記」、また天文(一五三二―五五)末期のものと思われる超勝寺下分并本覚寺下分書上(本願寺文書)にみえる。「天文日記」によると天文六年七月一四日、聖興寺が灯炉を摂津石山本願寺に納めている。また三十日番衆として同八年一一月一〇日に上山しているが、以後代参となり、同一一年三月二三日には「ミウラ覚善」(「ミウラ」は現松任市三浦町)が、同一五年九月一七日には「平木道西」(「平木」は現松任市平木町)が、同一七年一二月一九日には「岸河了願」(「岸河」は現金沢市岸川町)が、同二〇年三月二四日には「宮保浄願」がそれぞれ勤めた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の聖興寺の言及

【松任[市]】より

…市域中央部を北陸本線,国道8号線が並走し,海岸沿いに北陸自動車道が通じ,美川インターチェンジが近い。なお俳人千代女の出身地で,中町の聖興(しようこう)寺には千代尼塚や千代尼遺芳館がある。【斎藤 晃吉】。…

※「聖興寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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