聞き通ふ(読み)キキカヨウ

デジタル大辞泉 「聞き通ふ」の意味・読み・例文・類語

きき‐かよ・う〔‐かよふ〕【聞き通ふ】

[動ハ四]
耳に入ってくる。うわさに流れる。
「おのづから―・ひて、隠れなき事もこそあれ」〈浮舟
聞いて互いに心を通わせる。
「御遊びの折々、琴、笛のに―・ひ、ほのかなる御声を慰めにて」〈河内本源桐壺

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「聞き通ふ」の意味・読み・例文・類語

きき‐かよ・う‥かよふ【聞通】

  1. 〘 自動詞 ハ行四段活用 〙
  2. 自然に伝わり聞こえてくる。耳にはいってくる。
    1. [初出の実例]「三の君は、我が男取りたる人の累(るい)なれば、近うてききかよはんを」(出典落窪物語(10C後)三)
  3. 互いに聞いて心が通う。
    1. [初出の実例]「御あそびの折り折り、琴・笛の音にききかよひ、ほのかなる御声をなぐさめにて」(出典:青表紙一本源氏(1001‐14頃)桐壺)

聞き通ふの補助注記

一説他動詞とし、「互いに聞いて心を通わす」の意とする。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android