聰い(読み)さとい

精選版 日本国語大辞典 「聰い」の意味・読み・例文・類語

さと・い【聰】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]さと・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 理解することが早い。判断が的確ですばやい。理性がある。かしこい。さかし。
    1. [初出の実例]「天皇の姑(みをは)倭迹々日百襲(やまとととひももそ)姫の命、聰明(サトク)叡智(さか)しくましまして」(出典:日本書紀(720)崇神一〇年九月(寛文版訓))
    2. 「利にさとい寺方が宮公卿の名目で民間に金を貸し附け」(出典:夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第二部)
  3. 感覚が鋭敏である。敏感である。鋭い。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
    1. [初出の実例]「曳手・単節は外に出て、求めやせんと聶(ささや)くを、道節聰(サト)く聞とりて」(出典:読本・南総里見八犬伝(1814‐42)五)
    2. 「女は愛憎の念にはさといのじゃ」(出典:鮫(1963)〈真継伸彦〉三)

聰いの補助注記

語源については「さ」を接頭語、「とし」を「敏し」「利し」と見る説や、「諭す」「悟る」の語根「さと」に、形容詞を構成する接尾語「し」が付いたものとする説などがあるが、不明。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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