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真継伸彦 まつぎのぶひこ

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百科事典マイペディアの解説

真継伸彦【まつぎのぶひこ】

小説家。京都市生れ。京大独文科卒。家庭環境や戦時下の抑圧,死の恐怖を味わった体験などから,仏教に基づく独自の死生観・非暴力思想を抱く。《鮫》(1963年。文芸賞),《無明》(1970年)連作で仏教と政治の問題を,《光る声》(1966年)で政治における知識人の思想的動揺を扱った。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

真継伸彦 まつぎ-のぶひこ

1932- 昭和後期-平成時代の小説家。
昭和7年3月18日生まれ。38年「鮫」で文芸賞。45年高橋和巳らと「人間として」を創刊。仏教を核に,信仰と政治の関係や,人間性不在の問題などを追究する。62年姫路独協大教授。京都出身。京大卒。作品に「光る声」「無明」など。現代語訳に「親鸞全集」。

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書籍版「講談社 日本人名大辞典」をベースに、項目の追加・修正を加えたデジタルコンテンツです。この内容は2015年9月に更新作業を行った時点での情報です。時間の経過に伴い内容が異なっている場合がございます。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

真継伸彦
まつぎのぶひこ
(1932―2016)

小説家。京都市に生まれる。京都大学独文科卒業。リルケを専攻する。思索型の青年に成長し、奈良県大峰(おおみね)山中をさまよい、死生観の探求に向かった経験によって仏教への関心を深める。1950年代の学生運動に積極的に参加、革命運動内部においてはとくに困難な非暴力反戦思想の確立を志向する。大学講師などをするかたわら同人誌に小説を発表するうち、1963年(昭和38)、浄土真宗への信仰のなかに罪と救いの問題を追求した『鮫(さめ)』で、文芸賞を受賞。また、1966年の『光る声』は、ハンガリー事件を契機とした日本の知識人の思想的動揺と党細胞の瓦解(がかい)を描いたもの。さらに『鮫』の連作である『無明(むみょう)』(1969)では、無明のなかに生きる救いのない信仰者の自由の自覚過程を描いて、罪と救いの問題を追求、発展させた。1969年『週刊アンポ』の出版に参加、大学闘争、三島由紀夫の文化論、天皇制論などを批判し、また1970年、小田実(まこと)、開高健(たけし)、柴田翔(しょう)、高橋和巳らと文学、環境、差別などの問題について人間としてしてよいこと、してはならないことを見極めて追求する立場から季刊雑誌『人間として』を創刊、同誌に「自由と文化――三島由紀夫批判」、「林檎(りんご)の下の顔」などを発表して精力的に活躍した。自己の生存の軌跡をたどる傾向の作品として『死者への手紙』(1953)、『わが薄明の時』(1973)、『青空』(1983)などがあり、ほかに仏教に造詣(ぞうけい)が深く、多数の著書がある。[古木春哉]
『『わが薄明の時』(1973・新潮社) ▽『筑摩現代文学大系90 真継伸彦他集』(1977・筑摩書房) ▽『高橋和巳論』(1980・大和書房) ▽『私の蓮如』(1981・筑摩書房) ▽『青空』(1983・毎日新聞社) ▽『親鸞』(1987・朝日新聞社) ▽『光る声』(新潮文庫) ▽『鮫』(河出文庫) ▽『無明』(河出文庫)』

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