職業観(読み)しょくぎょうかん(その他表記)occupational view

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「職業観」の意味・わかりやすい解説

職業観
しょくぎょうかん
occupational view

職業に対していだく一定観念もともと職業は,(1) 生計維持の手段,(2) 個性発揮の場,(3) 社会的役割実現,の互いに相応関係にある3つの側面からとらえることができるが,このいずれの側面を強調するかによって,それぞれ特有の職業観が成立する。歴史的には (3) の職業観は中世封建社会の伝統的な生活様式を維持していくうえで強調され,宗教改革以後は「天職」という考えのもとに (2) の職業観が現れ,資本主義経済が発達し社会のゲゼルシャフト化が進行している今日の社会では,世俗的営利を強調する (1) の職業観が優勢になってきている。

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世界大百科事典(旧版)内の職業観の言及

【勤労意欲】より

…日々の職業労働に対する人々の精励ぶりをいい,一般にモラールmoraleともいう。勤労意欲は他の多くの要因とともに,その時代,社会に広く流布した職業観によって規定されている。古典古代のみならず中世ヨーロッパ社会においても,労働それ自体に高い評価の与えられることはまれであった。…

※「職業観」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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