肉串(読み)ししくしろ

精選版 日本国語大辞典 「肉串」の意味・読み・例文・類語

しし‐くしろ【肉串】

  1. ( 「しし」は食用とする獣肉で、「くし」または「くしろ」は串の意という ) 串刺しにして焼いた肉の味がよいところから、「良味(うまし)」と同音を持つ「熟睡(うまい)」に、また、「良味(よみ)」と同音の「黄泉(よみ)」にかかる。
    1. [初出の実例]「真栄葛(まさきづら) 手抱(ただ)き叉(あざ)はり 矢洎矩矢慮(シシクシロ) 熟睡(うまい)寝し間(と)に 庭つ鳥 鶏(かけ)は鳴くなり」(出典:日本書紀(720)継体七年九月・歌謡)
    2. 「倭文手纏(しつたまき) いやしき我がゆゑ ますらをの 争ふ見れば 生けりとも 会ふべくあれや 宍串呂(ししくしロ) 黄泉(よみ)に待たむと」(出典:万葉集(8C後)九・一八〇九)

肉串の補助注記

挙例の「書紀」の本文を寛文版本では「矢自矩矢盧」とし、シジクシロと読まれ、「繁訓(しじくしろ)」「繁酒(しじくしろ)」とする説もあるが、諸本の表記から「矢洎矩矢慮」であり、「洎」はシの音であると考えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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