日本大百科全書(ニッポニカ) 「あざ」の意味・わかりやすい解説
あざ
あざ / 痣
皮膚色の限局性異常(斑(はん))に対する俗称。厳密に医学用語と対応させることはむずかしいが、皮膚色によって分けて考えると、だいたい次のようになる。
(1)褐青色のあざ 太田母斑か、あるいは肩甲部や臀部(でんぶ)に生ずる同様の病変である。
(2)青色のあざ 外傷で皮下に出血すると青くみえるほか、児斑(蒙古(もうこ)斑)がある。これは乳児の背面にみられる青色斑で、しだいに淡くなり、学齢期に達するころまでには消えるが、まれに一部分残存することがある。
(3)紫色のあざ 皮内の出血で、外傷のほか、紫斑病のように血管がもろくて弱かったり、血液の顕微鏡的あるいは化学的成分の異常をおこすような病気によるものがある。
(4)黒いあざ ほくろ(黒子(こくし))は小さい母斑細胞母斑、それよりも大きい母斑細胞母斑もある。
(5)赤いあざ 血管腫(しゅ)で、イチゴ状血管腫や赤ぶどう酒様血管腫がある。
[川村太郎]