日本大百科全書(ニッポニカ) 「肝門脈系」の意味・わかりやすい解説 肝門脈系かんもんみゃくけい 脊椎(せきつい)動物およびナメクジウオの血管のうち、消化管、脾臓(ひぞう)、膵臓(すいぞう)などからの血液を集めて肝臓へ運ぶ重要な静脈系をいう。肝門脈(肝門静脈ともいう)の名は、肝門から肝臓に入る静脈であることに由来する。肝門脈系では、消化管などの器官から始まる毛細血管が集まって一度静脈を形成したものが、ふたたび肝臓内で分かれて毛細血管網を形成するという点が、普通の静脈系とは異なっている。現在では門脈の概念は、毛細血管に終わる静脈という意味を重視して、従来より拡張されるようになった。その代表例としては脳下垂体門脈系がある。[新井康允][参照項目] | 静脈 | 毛細血管 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 Sponserd by
世界大百科事典(旧版)内の肝門脈系の言及 【脊椎動物】より …脳と脊髄からは多数の対になった脊髄神経が出て,皮膚,筋肉,内部器官などの支配領域に達する。循環器系には腸管と肝臓を結ぶ特有の肝門脈系があり,腸で吸収した養分を肝臓に運ぶ。[系統と分類] 脊椎動物の各綱は,その祖先の系統関係が親と子の関係に近く,子に当たる綱は親に当たる綱の主要な特徴を保ちながら,新しい特徴を付け加えていて,ほとんどのものが入れ子式の関係にある。… ※「肝門脈系」について言及している用語解説の一部を掲載しています。 出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」 Sponserd by