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門脈 もんみゃく portal vein

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

門脈
もんみゃく
portal vein

門静脈ともいう。腹部の内臓 (胃腸,膵臓,胆嚢,脾臓) から静脈血を集めて肝臓に注ぐ静脈幹で,上・下腸間膜静脈,脾静脈などが合流したもの。門脈は肝臓における機能血管で,肝臓内での解毒作用や糖質貯蔵作用などはこの血管を介して行われる

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デジタル大辞泉の解説

もん‐みゃく【門脈】

毛細血管が合流して太くなった静脈が、再び分岐して毛細血管網を形成する静脈系。特に、肝門脈(かんもんみゃく)をさし、消化管脾臓(ひぞう)からの栄養物を含む血液を集めて肝門を通る。肝臓で物質交換が行われたあとは、再び大静脈となって心臓に戻る。ほかに脳下垂体門脈があり、鳥類などでは腎(じん)門脈も発達。門静脈。

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百科事典マイペディアの解説

門脈【もんみゃく】

門静脈とも。腹腔内の消化管からの血液を集めて肝臓に送る静脈。脾静脈,上腸間膜静脈,下腸間膜静脈の合流として始まり,肝門から肝臓内部に入って次々と分枝し,毛細血管となって肝細胞を取りまいてこれと接触した後,肝動脈の末梢とともに次第に集まり肝静脈として肝臓を出る。

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栄養・生化学辞典の解説

門脈

 (1) 通常消化管から肝臓へ至る静脈を指す.吸収された栄養素は,門脈を経て肝臓へと運搬される.肝臓の血液の80%は門脈からくる.(2) 視床下部の生産するホルモンを下垂体へ運ぶ血管を下垂体門脈という.

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家庭医学館の解説

もんみゃく【門脈】

 からだの臓器は、ふつう動脈血(どうみゃくけつ)によって栄養されていますが、肝臓(かんぞう)は心臓から流入する肝動脈(かんどうみゃく)と、胃や腸などの消化器系および脾臓(ひぞう)から流入する静脈系(じょうみゃくけい)の2つの血管系で栄養されています。
 このうちの静脈系が門脈で、上・下腸間膜静脈(ちょうかんまくじょうみゃく)、脾静脈(ひじょうみゃく)の3系統からなりたっています。
 肝臓に流入する血液量は、門脈から毎分1000~1200mℓにおよび、肝動脈からの流入量の約3倍といわれています。このような膨大な血流量の下で肝臓は代謝(たいしゃ)や排泄(はいせつ)などの機能を営んでいます。わけても門脈系の意義は大きく、うっ滞(たい)が高度になると肝細胞(かんさいぼう)は壊死(えし)します。
 門脈系に異常がおこると、肝臓への影響はもちろん、門脈圧亢進症になって他の臓器にも病変が波及し、それにともなういろいろな症状が現われます。まさに「門脈なくして肝臓なし」といえましょう。

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世界大百科事典 第2版の解説

もんみゃく【門脈 portal vein】

門静脈ともいい,腹部の消化器(胃,腸,膵臓)と脾臓とからの血液を集めて肝臓に運ぶ静脈系で,腹腔動脈,上腸間膜動脈,下腸間膜動脈の分布領域に相当している。この領域から発する多数の静脈はしだいに集まって,肝門から肝臓の中に進入している。門脈は,この解剖学的事実により名付けられた。肝門を入った本幹は再びしだいに樹状に分かれて最後に〈小葉間静脈〉となり,先は毛細血管(類洞)となって各肝小葉の中を肝細胞索にまつわりつきながら小葉の中心部に進んで,ここで〈中心静脈〉に集まり,肝静脈となって肝臓外に出る。

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大辞林 第三版の解説

もんみゃく【門脈】

脾臓・消化器からの血液を集めて肝臓に運ぶ静脈。肝門脈。
毛細血管が集まって静脈となり心臓に戻る途中,再び毛細血管網となる血管系。肝門脈系・脳下垂体門脈系などがある。門静脈。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

門脈
もんみゃく

脊椎(せきつい)動物において脾臓(ひぞう)、膵臓(すいぞう)、胆嚢(たんのう)、胃、腸管の毛細血管からの血液を集め、これを肝臓に導く血管系をいい、門静脈ともよぶ。肝臓の門(動脈、静脈、リンパ管、神経などが、まとまって出入する部位)を通るのでこの名がついた。門脈は静脈の一種である。肝門脈の幹は、肝臓の中で左右に分かれ、ふたたび毛細血管に分枝する。門脈と肝動脈のそれぞれの毛細血管は肝静脈に移行し、下大静脈に注ぐ。門脈血は、肝臓において炭水化物や脂肪などの代謝に重要である。門脈の末梢(まっしょう)部分と体循環系静脈は、食道の下部、直腸の上部および臍部(さいぶ)の3か所で結合している。肝門脈の血流障害がおこると、上記の結合部に静脈瘤(りゅう)を生じることがある。門脈には肝門脈のほかに、腎(じん)門脈と下垂体門脈がある。腎門脈は、尾部からの静脈を腎臓に集め、腎静脈に注ぐもので、魚類、両生類、爬虫(はちゅう)類、鳥類にみられる。哺乳(ほにゅう)類では、胎児の間だけ存在し、のちに退化、消滅する。下垂体門脈は、正中隆起と下垂体前葉の間に介在する静脈であり、前葉ホルモンの放出因子や抑制因子を受け取って下垂体前葉へ運ぶ。[小林靖夫]

ヒトにおける門脈

ヒトの門脈は消化管(食道下部、胃、小腸、大腸)、膵臓、脾臓、胆嚢からの静脈血を集めて肝臓に送り込む静脈幹で、長さは6.5センチメートルほどである。脾静脈・上腸間膜静脈・下腸間膜静脈の三大静脈が膵臓の後ろで合流して門脈を形成し、肝門から肝臓に入る。肝臓内では肝小葉間の結合組織内を小葉間静脈として走り、肝小葉内に進入して洞様血管(類洞)になる。洞様血管は有窓性で、かつ内皮細胞が非連続性の毛細血管(洞様毛細血管)であるから、この中の血液は肝小葉内の肝細胞と直接接触することになる。したがって、肝細胞と血液との物質交換がここで直接行われるわけである。つまり、門脈は消化管で吸収された栄養物質を肝臓に運ぶ重要な血管といえる。また同時に、消化管から吸収された血液内の有害物質は肝細胞によって分解され、血液内の糖質はグリコーゲンとして肝細胞内に貯蔵されるという重要な機能もこの部分で行われる。
 肝臓内の全血液量の4分の3から5分の4は門脈から供給されている。門脈には前記の主要静脈のほかに、体循環の静脈とも連絡がある。食道下部の静脈系は左胃静脈を経て門脈に注ぐ。また、肛門(こうもん)周囲には静脈叢(そう)が発達しているが、この静脈叢(直腸静脈叢)の上部(上直腸静脈)は下腸間膜静脈に注いでいる。したがって、肝臓内あるいは門脈系に血流障害が存在すると、門脈の内圧が高くなり、いわゆる門脈圧亢進(こうしん)をおこしてくる。この影響を受けて、食道静脈瘤(りゅう)が形成され、ときにこれが膨隆して破裂し、致命的な大出血となることがある。また、直腸静脈叢が拡張して静脈瘤をつくると、痔核(じかく)となる。このほか、門脈圧亢進によって前腹壁皮下に皮下静脈の怒張「メズサの頭(あたま)」をみることがある(メズサはギリシア神話の水の怪物で、メドゥサともいい、蛇(へび)の髪をもつ)。これは、へその周囲の静脈(臍旁(さいぼう)静脈)が小静脈を介して門脈と連絡しているため、二次的に拡張したものである。これらの症候は門脈圧亢進症として、臨床診断上、重要視される。病因としては肝硬変がもっとも多いとされる。正常の門脈圧は100~150ミリメートル水柱である。なお、門脈と似たような形態をとるものに下垂体門脈系がある。下垂体に分布する動脈は下垂体の根元で毛細血管網をつくったあと、静脈となり、前葉内で洞様毛細血管となる。下垂体門脈系は、ホルモン分泌・放出に関与する機能的血管系である。[嶋井和世]

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