胞族(読み)ほうぞく(その他表記)phratry

翻訳|phratry

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「胞族」の意味・わかりやすい解説

胞族
ほうぞく
phratry

一般に2つあるいはそれ以上の氏族ないしはリニージが大きな集団内で相互に結合し合っている場合,それらの氏族ないしはリニージをいう。胞族の示す範囲半族のそれより大きく,しばしば氏族,最大リニージなどのレベルで論じられるが,明らかに親族の統合単位にあてた用語以外のなにものでもなく,胞族の特徴といわれるものは,単一の社会現象なかには見出されない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の胞族の言及

【双分組織】より

…ただし実際の例においては,上記二つの特徴をあわせもっている社会もあれば,いずれか一方の特徴しかもたないという社会もあり,さらに双分組織に対応するような二元論的宇宙観をともなった社会もあるというように多様である。 なお,先にいう〈半族〉と類似した概念として,古代ギリシアの政治・宗教的集団であるフラトリアphratriaを語源とする〈胞族phratry〉があるが,〈胞族〉は通常,氏族の単位よりも大きな類別上の単位であり,二つあるいはそれ以上の類別上の認識を基礎とした単位である。したがって〈胞族〉は,かならずしも社会を二分するような組織とはなりえず,通常は単なるカテゴリーとして存在しているが,氏族が連合して互酬的な社会の二分割組織を構成しようとすると,〈双分組織〉の単位となりうることもある。…

【フラトリア】より

…古代ギリシアの部族制度の中で,部族と氏族の中間に位置する集団で,胞族または兄弟団と訳されている。複数形ではフラトリアイphratriai(またはパトライpatrai,パトリアイpatriai)。…

※「胞族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android