脊椎側彎症(読み)せきついそくわんしょう(その他表記)scoliosis

翻訳|scoliosis

改訂新版 世界大百科事典 「脊椎側彎症」の意味・わかりやすい解説

脊椎側彎症 (せきついそくわんしょう)
scoliosis

側彎症ともいう。脊柱が右または左に湾(彎)曲した状態。多くの場合脊柱の回旋を伴う。日本には少ないといわれてきたが,近年は小・中学生に多くみられるようになり,発生率は0.3~0.5%といわれる。湾曲の程度は,側彎の上端の椎骨と下端の椎骨がつくる角度で表される。軽症のものでは目立たないが,15度を超えると外見上も明らかとなり,両肩や肩甲骨の高さが異なってくる。前屈すると,脊柱の凸側の脊部の肋骨後方にふくらむ。これを肋骨隆起rib humpという。重症になると,単に外見上の問題だけでなく,胸郭の変形から呼吸機能が低下し,心臓機能も低下する。一般に20度を超えると治療が必要となり,50度以上では手術が必要となる場合がある。治療としては,懸垂や斜面牽引などの運動療法,ミルウォーキーブレースやギプスなどの器具を用いた保存療法,金属製のフックを椎骨にかけて矯正する手術療法などがある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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