家庭医学館 「膀胱外反症」の解説
ぼうこうがいはんしょう【膀胱外反症 Exstrophy of the bladder】
非常にめずらしい尿路(にょうろ)の形態異常です。生まれつき、恥骨(ちこつ)上の正中線(せいちゅうせん)上で、腹壁前壁と膀胱前壁が欠けて開いています。程度によって完全裂と不完全裂とがあります。膀胱後壁の粘膜(ねんまく)が外反して、からだの表面に飛び出しているので、たえず尿がもれています。
尿失禁(にょうしっきん)や感染をともない、感染が尿路の上部、腎臓(じんぞう)におよぶので、慢性腎盂腎炎(まんせいじんうじんえん)・腎不全(じんふぜん)をおこします。
このため、適切な治療をしないと、膀胱外反症の子どもの3分の2は、10歳までに死亡するといわれています。
[治療]
尿もれ、汚染、上部尿路感染を防ぎ、腎臓のはたらきを保つため、欠けて開いた部分をぬい合わせる膀胱形成術や、尿路を人工的に形成する尿路変向術(にょうろへんこうじゅつ)が行なわれます。なお、ほかにも尿路の形態異常をともなっていることが多いので、いろいろな検査の必要があります。