臨安府(読み)りんあんふ(その他表記)Lin-an-fu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「臨安府」の意味・わかりやすい解説

臨安府
りんあんふ
Lin-an-fu

中国,南宋の国都。現在の浙江省杭州。秦,漢以来銭塘県として地方の中心都市となっていたが,南北朝時代に江南の開発が進み,隋代に江南河 (大運河) の終点となってから急速に発展し,唐を経て五代呉越国のときその国都となった。北宋時代 汴河に連なる江南河の終点として国都開封に直結し,また当時発達した南方貿易の要港として,さらに浙江省の中心都市として商税額からみても第1の大都会となった。南宋時代には国都となって一層発展し,人口 150万 (一説に 500万) といわれる巨大都市となった。元代にはマルコ・ポーロらによって繁栄ぶりが西洋にも伝えられた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の臨安府の言及

【杭州】より

…1127年(建炎1)女真族の金に国都開封を追われた宋の支配階級は高宗趙構をいただき江南に逃れ,建康(現,南京)か杭州か紆余曲折の末,1138年(紹興8)ここを行在所と定めた。これよりさき1129年に杭州は臨安府と改称されていた。マルコ・ポーロらによってキンザイと呼ばれるのは行在の音字である。…

※「臨安府」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む