自然保護債務スワップ(読み)しぜんほごさいむスワップ(その他表記)Debt-for-Nature Swap; DNS

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自然保護債務スワップ」の意味・わかりやすい解説

自然保護債務スワップ
しぜんほごさいむスワップ
Debt-for-Nature Swap; DNS

国際的な自然保護団体などが発展途上国に対する外貨建て債権を取得し,これを発展途上国の内貨建て財政支出と交換して自然保護のために活用するもの。環境スワップ,デット・フォー・ネイチャー・スワップともいう。具体的には,自然保護債務スワップ協定に基づいて国際的な自然保護団体などが発展途上国に対する債権を民間金融機関から購入し,この債権を途上国政府に譲渡する。債権を譲渡された途上国政府は,信託基金などの形態により財政支出を行ない,現地の自然保護団体などが自然保護プロジェクトを実施する。1987年に初めてボリビアで具体化された。途上国における自然保護のための財源確保と対外債務削減とを同時に達成するものとして注目されているが,債務国の主権を侵害し,財政支出により債務国のインフレーションを助長するなどの問題点も指摘される。(→累積債務問題

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