累積債務問題(読み)るいせきさいむもんだい(英語表記)accumulating debt problem

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

累積債務問題
るいせきさいむもんだい
accumulating debt problem

国内貯蓄が十分でない発展途上国の債務残高が累増し,返済負担が大きくなって経済社会の開発に十分資金をあてられない問題。 1970年代から 80年代前半にかけては,債務残高の急増,元利返済負担の増大がおもな問題であった。さらに 84年以降,利払いや返済が新規貸付額を上回った状態が続いていることにみられるように,債務残高が大きすぎて新たな借入れが困難になり,開発のための資金が確保できなくなったり,返済が滞っていることが問題となっている。これは債務国だけでなく相互依存関係にある世界経済全体の発展にも制約となりうる問題である。発展途上国の債務残高は,90年には約1兆 3000億ドルに達しているとみられるが,債務免除,民間借入れの抑制などの効果により伸びが低下し,近年はほぼ前年並みにとどまっている。しかしラテンアメリカおよびアフリカでは,依然としてデット・サービス・レイシオが非常に高い。特に中所得国累積債務問題に対しては新債務戦略の適用による解決がはかられている。日本は資金還流措置によって具体的支援を行なっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典内の累積債務問題の言及

【銀行】より

…貿易の拡大に伴う外国為替の取扱いや海外支店,営業所,さらには現地法人の設立によって,海外進出の日本企業に対しもろもろの金融サービスの提供を行うだけでなく,外国の企業,政府に対しても,海外の銀行と共同してシンジケート・ローンを組んだり,証券業務をも行うなど,多様な国際業務が展開され,急成長をとげた。だが,それと同時に,発展途上国等への大きな貸しこみも生じ,いわゆる累積債務問題に直面する事態を招いたことも疑いない事実である。国際金融取引には,為替レートの変動による為替リスクや政治的・社会的な理由もからみ国全体が破産するとか利払いが滞るといったカントリー・リスク等,国内金融取引にはみられないリスクが伴う。…

※「累積債務問題」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

スロースリップ

地球の表面を構成するプレートの境界面において、プレートがゆっくりと滑って移動する現象。この移動が一気に起きるとプレート境界地震になる。プレートどうしが強く固着した、アスペリティーと呼ばれる領域以外で生...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android