興士団(読み)こうしだん

改訂新版 世界大百科事典 「興士団」の意味・わかりやすい解説

興士団 (こうしだん)

1913年朝鮮の独立運動家安昌浩がアメリカで結成した人格修養団体。その目的は,〈務実,力行,忠義,勇敢〉という徳性の涵養を中心に,〈徳,体,知〉3面かねそなえた〈健全な人格〉を創出することにあった。興士団は在米朝鮮人社会の中で一つの政治勢力ともなり,李承晩系の同志会としばしば対立した。20年代に朝鮮内にも姉妹団体ともいうべき同友会が結成されたが,37年安昌浩,李光洙ら会員150名が一斉検挙され解体した。解放後興士団は本部をソウルに移し,米軍政下の過渡政府では趙炳玉ら数人がその閣僚として名を連ねた。63年に学生部門として設置された興士団アカデミーは,70年代末には韓国民主化運動との関連で注目された。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報