普及版 字通 「舛」の読み・字形・画数・意味
舛
6画
[字訓] そむく
[説文解字]
[字形] 会意
夊(すい)+(か)。左右の足が外に向かって開く形。〔説文〕五下に「對(むか)ひて臥するなり」とするが、左右相違って進みえない形で、乖誤の意。〔荘子、天下〕に「惠施多方にして、其の書五車。其の舛駁」とあり、相矛盾することをいう。舛の反文は(はつ)、發(発)の従うところ。字はまた、・に作る。足の交錯し、みだれることをいう。
[訓義]
1. そむく、たがう、もとる。
2. まじわる、いりまじる。
3. (しゆん)と通じ、みだれる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕舛 タガフ・タガヒニ・コトコト・ツハクム 〔字鏡集〕舛 アヒソムク
[部首]
〔説文〕に(舞)・の二字を属し、〔玉〕になお(か)の異体字を加える。は古くは無に作り、はその繁文。(かつ)は車の象形で、舛に従う字ではない。
[声系]
〔説文〕五下に次の部のを地連華の象形とし、また舛の亦声とする。はおそらく古神像の象形。神像が几(き)に坐して、その両足を垂れる形に象るものであろう。
[語系]
舛thjyun、蠢thjiun、惷thiong、・sjiong、sjiunは声近く、集まりもつれるような状態をいう。春はもと屯に従い、屯dunと声近く、春(しゆん)声の字に屯難(ちゆんなん)・屯頓(ちゆんとん)の意がある。それで舛乖(せんかい)(そむく)のをも含むのである。
[熟語]
舛斡▶・舛倚▶・舛訛▶・舛逆▶・舛互▶・舛午▶・舛忤▶・舛誤▶・舛混▶・舛差▶・舛錯▶・舛雑▶・舛殊▶・舛駁▶・舛▶・舛濫▶・舛戻▶・舛漏▶・舛和▶
[下接語]
訛舛・乖舛・壊舛・差舛・錯舛・舛・煩舛・舛・紛舛
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報